今日は、パワーナップ(短時間の昼寝)の驚くべき効果について学びましょう!
前夜きちんと睡眠をとっていても、午後の早い時間帯(正午から午後2時頃)に眠気やだるさに襲われ、仕事のパフォーマンスが低下する現象を「ポストランチ・ディップ」といい、この時間帯には、作業ミスや居眠りによる事故などが発生しやすいことがわかっています。
これは単に昼食を食べた影響によるものではなく、本来、人間が持っている生体リズムによるものです。
リストバンド型センサで生体データを測定した研究では、「ポストランチ・ディップ」に相当する時間帯に集中度が大きく低下する傾向が明らかになりました。
この対策として有効な手段の一つが短時間の昼寝、いわゆる「パワーナップ」です。日本の産業医学総合研究所の興味深い研究をご紹介します。
この研究では、30人の成人を以下の3グループに分け、「パワーナップ」が脳の認知反応や注意を要するタスクに与える影響を調査しました。
①昼食後、15分昼寝をするグループ
②昼食後、45分昼寝をするグループ
③昼食後、昼寝をしないグループ
その結果、昼食後、15分昼寝をしたグループが、その後の脳の認知反応が最も早くなり、注意を要するタスクのパフォーマンスが高いことがわかりました。脳の認知反応は、与えられた刺激に対して、P300という脳波のピークが何ミリ秒後に現れるかで測定されました。15分の昼寝ではピークが昼寝前より24ミリ秒早まったのに対して、45分の昼寝だと逆に17ミリ秒遅くなり、昼寝なしでは65ミリ秒も遅くなりました。
また、注意を要するタスク(英文を90分間、正確に書き写すタスク)のエラー率が、15分昼寝をしたグループは、昼寝後3時間経っても、他のグループよりも低いことがわかりました。これは、15分の昼寝で脳内の疲労がクリアされ、頭がすっきりしたためです。
一方、45分の昼寝は、夜の睡眠と同様、副交感神経が支配的になり、目覚めが悪く、頭がボーッとする状態になる上、夜の睡眠にも悪影響を与えるので、オススメできません。
グーグル、アップル、マイクロソフト、ナイキなどクリエイティビティの高い会社は、このパワーナップを積極的に社員に推奨し、ポストランチ・ディップを回避して、活性度を高め、クリエイティブな仕事ができるように後押ししています。
明日は、再び、リトルCの具体的な実践方法について学びましょう!