今日は、エンターテインメントの力を活かしてウェルビーイングを高めることについて学びましょう!
働き続けていると、やがて疲労やストレスが蓄積し、生き生きと仕事をすることが難しくなってくるので、活性度の回復が必要ですが、ここでは活性度の回復とともに、人生の意味を考えさせてくれる機会として、エンターテインメントの有用性について説明します。
ドイツのコンスタンツ大学の研究者らは、仕事から回復するために重要な要素として、「心理的ディタッチメント(離脱)」などの4つの要素(他には、リラックス、達成経験、コントロール)を特定しました。
「心理的ディタッチメント」とは、仕事を終えたら、物理的に仕事(職場)から離れるだけでなく、心理的にも仕事から離れる(仕事のことは考えない)ことが重要であるという考えですが、仕事から帰宅後、映画やドラマなどをゆっくり鑑賞することは、「心理的ディタッチメント」以上の効果があることが、ドイツのケルン大学心理学部の研究でわかりました。
この研究では、エンターテインメントには、快楽的欲求を満たしてくれる「ヘドニック・エンターテインメント」と、人生の意味や困難への挑戦などについて考え、自分の成長を促してくれる「ユーダイモニック・エンターテインメント」の2種類があることが示されました。イメージとしては、前者はスカッとするアクション映画やコメディ映画で、後者はヒューマン・ドラマなどです。
ちなみに、「ユーダイモニック」とは、古代ギリシアの哲学者アリストテレスが提唱した概念で、「徳のある人生を生き、価値ある行為をすることによって得られる真の幸福」という意味です。
上記の実験の結果、「ヘドニック・エンターテインメント」は、仕事のストレスや疲労からの回復をもたらし、仕事から完全に離れることで活力が高まることがわかりました。一方、「ユーダイモニック・エンターテインメント」は、困難な状況にも対処できる自信やコントロール感をもたらし、人生の意味を考えさせてくれるので、やはり活力が高まることがわかりました。
つまり、エンターテインメントは、活性度の回復に役立つだけでなく、人生の意味を考えるきっかけにもなり、それがウェルビーイング(幸福感)の向上に役立つのです。ぜひ、エンターテインメントに触れる時間を大切にしましょう。
明日は、いよいよ最終回。「どこで満足するか」について学びましょう!